デジタル放送とは



デジタル放送とは、映像や音声などの放送信号を、デジタルデータによって送受信することをいいます。
現在、地上デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送があります。

デジタル放送もアナログ放送も、電磁波、つまり、「波」によって情報を送受信している事に変
わりはありません。
しかし、デジタル放送とアナログ放送では、情報の伝え方が違うのです。

テレビの映像信号というと、何か、とても複雑な要素から成り立っているのではと思ってしまいがちで
すが、デジタル放送でもアナログ放送でも、映像信号は、「輝度」と「色差」という、たった二つの情
報から成り立っています。

テレビに映し出される映像は、小さな「点」が集まって出来ています。
ブラウン管には、赤・緑・青の光の三原色の蛍光物質が塗られた点が、縦、横に何百とびっしりと並べられています。
その点一つ一つに、決まった強さ、決まった角度で電子ビームを当てることで、蛍光物質を決まった強さ
決まった色で発光させます。それを、左から右に走査し、それを、上から下に向かって順々に繰り返すことで
一枚の「絵」を描きます。

電子ビームの強さを決めるのが、「輝度信号」。電子ビームの微妙な角度を決めるのが、「色差信号」です。
輝度信号によって、決まった強さで蛍光物質を発光させ、色差信号によって、赤・緑・青によって構成された
点に、決まった角度でビームを照射し、決まった色で発光させます。

白黒テレビの場合は、光の濃淡だけで「映像」を描いているため、輝度信号だけで成り立ちます。


音を聞く場合、私たちは、空気の「波」から、音の大きさ≠ニ音程≠感じ取って「音」という情報
を認識します。
それと同じように、アナログ放送では、電波の波の形そのものから、輝度と色差の二つの情報を取り出す
わけです。

しかし、デジタル放送においては、電波から受け取る情報は、電波の波の凸と凹の二種類だけです。
デジタル放送では、全てテンとツーの繰り返しによってやり取りする「モールス信号」のように、放送
信号を0と1のデジタル信号によってやり取りしているので、凸を1、凹を0というように、二種類の要
素がやり取り出来ればよいのです。

アナログ放送の場合、波の形そのもので放送信号を送受信するため、送る過程で劣化や変化を起こしやすい
のが欠点です。
しかし、デジタル放送の場合は、電波の波の凸と凹に、デジタル信号としての記号性を持たせて送受信を
行なうため、電波の波の凹凸が伝わりさえすれば良いわけです。
戻る