PCMとは、電気信号をデジタルデータ化するための一つの方式です。
主に、サンプリングとビット化によって行います。
当たり前のことですが、この世界はデータ(数値)でできているわけではありません。
温度や風速、高さや速さなどはこの世の事象の一部分から人間に必要な情報だけをピックアップ
して、データ化したにすぎません。
この世とは、とらえどころのない連続したものなのです。
そして、人間にとっての”情報”とは多くの場合、音波や光などの”波”によって届けられます。
つまり、電化製品によって映像や音を楽しむには、まず、波をセンサー類によって電気の周波数情報
(アナログ電気信号)に変換します。
その後、デジタル化(データ化)するわけですが、ここで問題がでてきます。
情報をデータ化しようとすると、際限がないのです。
”情報”は連続しています。例えば、気温を測ろうとするばあい、一分に一回の精度で測ることもで
きるし、一秒間に一回の精度で測る事もできます。もちろん、一秒間に1万回の精度で測ることもできます。
数値化の精度においても、21度かもしれないし、21.4度かもしれないし、21.43179度かも
しれません。しかし、どこかで止めなければデータ量は膨大になってしまいます。
情報のデジタル化において、”測る”にあたるのがサンプリング(標本化)、数値化にあたるのがビット化
です。
よく聞く、サンプリング周波数というのは、一定時間のあいだに何回、数値化を行うか、量子化ビット数という
のは、どれくらいの精度のデータに変換するかということを表しています。
CDに収録されている音声信号は44.1khz/16bit でデジタル化されています。DVDビデオに収録
されている音声信号は、44.1khz/24bit でデジタル化されています。16bitと24bitでは8bitしか
ちがわないと思うかもしれませんが、16bitの場合は2の16乗とおり、24bitの場合は、2の24乗とおり
のちがいを数値化できます。つまり、16bitと24bitでは、65536と16777216というふうに、
桁違いに数値化の精度が違うのです。